ナチュラル志向の人の間で最近注目されている「湯シャン」。シャンプーを使わずお湯のみで髪を洗うことで、ノー・シャンプーの略からノープーとも呼ぶそうです。本当に、お湯だけで髪の汚れや臭いが洗い流せるのか気になりますよね。
今回は、湯シャンのメリットとデメリットや正しい湯シャンの方法について解説します。肌質や髪の状態によっては湯シャンが適さない場合があるため、ぜひ参考にしてくださいね。
湯シャンとは

湯シャン(ノープー)とはシャンプーを使わず、お湯で髪と頭皮を洗い流すだけの洗髪方法です。頭皮に与える刺激が少ないので、敏感肌の人をはじめとして男女問わず支持されている洗髪方法です。
お湯だけで洗う方法のほかに、クレンジングクリームやハーブエッセンスを取り入れたり、仕上げにクエン酸やトリートメントを使う方法もありますが、今回はお湯だけで洗うシンプルな湯シャンについて解説します。
湯シャンのメリットとデメリット
髪や頭皮への刺激が少ない湯シャンには、どんな効果があるのでしょうか。
メリットとデメリットに分けて、湯シャンの代表的な特徴をご紹介します。
湯シャンのメリット

今この記事を見ている方は、湯シャンを行うことを検討している方が多いのではないでしょうか。
なぜシャンプーをやめて、湯シャンを行うことを検討しているのか。今シャンプーによる肌荒れに困っているということはありませんか?
一般的に、湯シャンの最大のメリットはシャンプーによる肌荒れを防止できることだと言われています。本当に湯シャンで肌荒れは予防できるのか、解説します。
頭皮のかゆみ・フケ予防
アトピー体質や乾燥肌の人は、洗浄力の強いシャンプーが大きな負担となることがあります。シャンプーの洗浄力によって頭皮の潤いが失われ、乾燥が進んでかゆみやフケが悪化することも。
その点湯シャンはシャンプーを使用しないため、シャンプーが原因のかゆみやフケは当然発生しません。しかし別のトラブブルが発生する可能性が高いです。
シャンプーが合わない場合、まずは高保湿系シャンプーに変えてみましょう。乾燥などのトラブルは、高保湿シャンプーで軽減されるかもしれません。成分表に保湿成分である「アミノ酸」「ヒアルロン酸」が入っている物が良いでしょう。
高保湿シャンプーを使用しても、頭皮が荒れる場合
下記の1~3の順番で洗髪方法を見直すと頭皮環境を改善できるかもしれません。
- シャンプーの量を減らす
- シャンプーを水で薄めて使う
- 週6日湯シャンで、週1日だけシャンプーを使う
このステップを踏んでも頭皮のかゆみやフケが改善しない場合は、シャンプーを止めて湯シャンに切り替えると改善するかもしれません。
湯シャンのデメリット

シャンプーとトリートメントを使わないことで、髪と頭皮の状態が悪くなることもあります。湯シャンのデメリットについて、特徴的な3つのケースを参考にしてみてください。
頭皮に臭いやかゆみが残る
皮脂が多めのオイリー肌の場合、お湯だけでは汚れを充分すすぎ流せないことがあります。また、スタイリング剤もお湯だけではほとんど洗い流すことができません。
すすぎ残しがあると臭いやかゆみが気になり、ベタつきが残ることもあります。湯シャンの洗浄力に物足りなさを感じる人は、無理に続けずに自分に合うシャンプーを探すことをおすすめします。
髪の指通りが悪くなる
多くのシャンプーやトリートメントの中には、髪の指通りを良くするコンディショニング成分が配合されています。ところが湯シャンでは化学的な成分を補うことができないため、髪の状態によっては指通りが悪くなります。
特にダメージヘアの場合、髪のきしみや絡まりが目立ってしまうかもしれません。
髪にツヤがなくなる
ツヤ出し成分が配合されたシャンプーやトリートメントを使っている人は、湯シャンを始めると髪のツヤを感じにくくなります。
頭皮から出る皮脂が髪を覆うことで自然なツヤは生まれますが、乾燥肌の場合は分泌される皮脂量が少ないためツヤは出にくくなります。またダメージヘアの場合も、髪をコーティングして守るキューティクルが損傷しているため、美しいツヤは生まれません。
湯シャンは薄毛・抜け毛・白髪予防に効果がある?

湯シャンは頭皮に過度なストレスを与えないので、薄毛・抜け毛・白髪などの予防に効果があるという説があります。
シャンプーを使わない湯シャンは、シャンプー剤の洗い残しがありません。また洗浄力の強いシャンプーを使用することで、髪や頭皮の乾燥が起きることもありません。
その結果、シャンプーやトリートメントの洗い残しで起きるトラブルがなくなり、頭皮や髪に必要な油分が残ることで薄毛・抜け毛・白髪の予防に繋がるのではないかと考えられているようです。
薄毛・抜け毛・白髪予防は本当なのか
本当に、湯シャンは本当に薄毛・抜け毛・白髪の予防になるのでしょうか。
答えは、予防になりません。予防になるどころか、むしろ進めてしまうことがあります。
現代の生活では、排気ガスなどの石油系のホコリが髪に付着することが多く、お湯だけで汚れを洗い流すのは難しいです。汚れが毛穴に詰まってしまうと、抜け毛が進んでしまいます。
またすぎ残した汚れが頭皮に蓄積すると、頭皮環境が悪化してしまい、髪の毛を作る毛母細胞にダメージが加わります。毛母細胞にダメージが加わり老化が進んでしまうと、健康な髪が育たず薄毛の原因になったり、毛母細胞内の髪に色を付けるメラノサイトが劣化し白髪が増えてしまいます。
エイジングケアどころか、逆効果?
湯シャンは抜け毛・薄毛・白髪に効果があるどころか、逆に老化を進めてしまうことがあるようです。髪のエイジングケアは、お湯だけでなく良質なシャンプーを使って汚れをきちんと落とすことが大切なのです。
正しい湯シャンの方法

シャンプーを薄めてもかゆみが収まらない場合、どうしても湯シャンをしないといけないこともあるでしょう。
湯シャンはシャンプーを使わないので、普段の洗髪と比べて方法が異なります。間違った方法で行うと、さらにトラブルを招くことがあるため、正しい湯シャンの方法を知ることが大切です。
正しい湯シャンの方法を解説していきます。
湯シャンの3ステップ

- 髪を濡らす前にブラッシング
洗髪前にブラシで髪をとかすことで、頭皮の汚れを浮かせ、髪の汚れも落ちやすくなります。湯シャンは通常のシャンプーに比べて洗浄力がマイルドなので、洗髪前のブラッシングが特に大切。洗髪後の髪の絡まりを軽減することにもつながります。
- シャワーは38~40度で少し熱めに
水温が低すぎると汚れが落ちにくいため、シャワーの温度は少し熱い程度に設定しましょう。
- 指の腹で頭皮を揉み洗い
髪よりも、頭皮の汚れを洗い流すイメージで頭皮にシャワーを当てます。通常のシャンプーよりもやさしく頭皮を揉みながら汚れを落としましょう。湯シャンはシャンプーの泡がない分、汚れが落ちにくいです。しっかり洗って汚れを落としましょう。
湯シャンの注意点
- 湯シャンは10分ほど時間をかけて、髪と頭皮の汚れをしっかり流すことが大切です。
- タオルドライは髪に摩擦が起きないように、両手でタオルを持ち髪を包み込むようにタオルドライします。
- 髪が濡れている時は、髪を保護するキューティクルが開いて無防備な状態ですなので、早めにドライヤーで乾かすようにしましょう。 ドライヤーで髪の根元から乾かしましょう。
栄養不足の髪には、良質なケアが必要

ダメージやうねりなど髪の状態に悩みがある場合には、湯シャンではなく良質なシャンプーとトリートメントで髪に潤いや栄養を与えた方が良いです。お湯の成分では、ダメージを回復することはできません。
美髪になるためには、髪に潤いをたっぷり与えることが大切です。頭皮にも潤いが補給されて弾力のある状態になると、健やかな髪が生えやすくなります。
ダメージの自覚がなくても、毎日使うドライヤーの熱や通勤途中に浴びる紫外線は、意外にも髪に悪影響を与えているもの。加齢や体質の変化で以前とは髪質が変わってしまったという人も、髪に合わせたお手入れを始める時かもしれません。
美髪への近道!シャンプーを見直そう
髪と頭皮への潤いや栄養を補給するには、「アミノ酸」 や「ヒアルロン酸」 が高濃度で配合されたシャンプーを選ぶのが効果的。市販品を選ぶ時には「アミノ酸」や「ヒアルロン酸」などの成分が入っているかを見ると良いでしょう。
美髪を目指すなら、髪と頭皮に合ったシャンプーをしよう

シャンプーとトリートメントを使わない洗髪方法、湯シャンについて解説しました。
頭皮に化学的な刺激を与えないため、敏感肌や乾燥肌の頭皮トラブルを防ぐことができるかもしれません。その一方で、湯シャンだけではすすぎ残しが出やすいことや、髪に足りない成分を補えないというデメリットもあります。
オイリー肌の人や、日常的にスタイリング剤を使用する人、またダメージヘアの人は湯シャンではなく自分に合ったシャンプーで洗うことが大切。理想のヘアと快適な頭皮環境を目指して、髪と頭皮に良質な栄養を届けましょう。