世界と日本の食品表示ルールの違い

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健康に気を配っている人、自分や家族にアレルギーがある人は、食品を購入するときに食品表示をチェックするでしょう。
食品表示は決められたルールに従って表記されていますが、国ごとに表示のやり方が異なることをご存知でしょうか。

今回は、日本の食品表示ルールと世界との違いについて詳しく解説します。
安全な食品を選ぶために、日本の食品表示が適切であるかを判断する参考にしてみてください。

目次

日本の食品表示ルール(主にアレルギー)

日本の食品表示について、主にアレルギーに関するルールを解説します。

アレルギー表示が必要な含有量

アレルギーを引き起こす原材料が使われている場合、含有量に関係なく記載が義務付けられています。
アレルギー症状の表れ方や度合いについては個人差が大きく、ごくわずかな量でも重篤な症状が起こる人もいます。
そのため、アレルゲンが使われている場合は量を問わず記載が必要です。

アレルギー表示が義務付けられている食品

全ての食品がアレルギー表示の義務対象ではなく、箱やポリ袋といった容器包装された加工食品に限定されている点に注意が必要です。
外食やパック詰めの惣菜などは食品表示の義務がありません。
記載義務のない食品を購入する際には、アレルギーのリスクを考慮して販売店やメーカーに問い合わせしておくと安心です。

表示義務のあるアレルゲン

食物アレルギーを引き起こす可能性が高く、重い症状が出やすい7品目のことを特定原材料と呼んでいます。

・卵
・乳
・小
・落花生(ピーナッツ)
・えび
・かに
・そば

他にも、アレルギーリスクが高いことから表示が推奨されている原材料が21品目あります。

日本と世界のアレルギー表示を比較

世界各国では、日本とは異なる基準で食品表示がおこなわれています。

アメリカの食品表示と日本との違い

世界中において食品のアレルゲン表示について最も厳しい国はアメリカだと言えます。
実際に食品を販売しているお店ではアレルゲンフリーの食品が分かりやすくまとめられており、アレルゲンフリー食品の専門店もあるほどです。
日本の食品表示との違いは以下の通りです。

特定原材料の違い

日本では重篤なアレルギー症状を引き起こす恐れがある特定原材料が7品目設定されていますが、アメリカでは8品目が定められています。

種類を明記する

日本ではエビやカニといった甲殻類、魚、ナッツなどを食品表示に記載するときに、具体的な種類を明記する必要はありません。
しかし、アメリカでは甲殻類であればエビ、カニ、ロブスターといったようにその種類を明記することが求められます

イギリスの食品表示と日本との違い

イギリスでも日本よりも厳しい食品表示のルールが定められています。
日本の表示との主な違いについて以下にまとめています。

特定食品の数

ピーナッツ、牛乳、卵、広い範囲の甲殻類、ナッツ、軟体動物を含む14種類を特定のアレルゲンとして指定しています。

太線表示

他の原材料と区別しやすいように、特定のアレルゲンについては太字で強調するのが業界の標準です。

期限表示

アレルギーだけでなく、期限の表示にも違いがあります。
日本でも食品の品質に関連する「賞味期限」があります。
英国でも、飲食をしても安全な期間を示す消費期限、腐敗しやすく短期間で人間の健康に危険を及ぼすリスクが高い食品については消費期限で示します。
しかし、日本では具体的な期限について明記されていない食品もあるのです。
一方でイギリスでは「製造日から3日内」といったように、具体的な期限が表示されていることがよくあります。

世界と異なる日本独特の表示ルール

世界各国と日本の食品表示を比較したときに、日本では独特の食品表示が導入されていることが分かります。

一括名表示が許されているのは日本だけ

日本では食品表示に置いて「調味料」「乳化剤」「酸味料」といった一括名表示が一般的で、具体的にどの種類が使われているかまで明記されていません。
調味料は62種類、乳化剤は22種類、酸味料24種類といったようにたくさんの種類があります。

しかし、一括名で表示されると、消費者は具体的な原料を把握できないのです。
しかも、日本で使われている乳化剤の中には、海外で添加量制限がある、未許可のものが含まれています。
そのため、食品表示から原材料の特定や安全性を判断するのは難しいでしょう。

海外は用途名と物質名を併記

海外では用途名と物質名が併記されていることから、保存料無添加といった虚偽的な表記ができなくなります。
また、油脂を例にとって説明すると、日本では「植物油脂」と表示されるところを、大豆油といった由来、水素添加の有無も明記されています。

食品添加物の識別が困難

また、日本の食品添加物には「別名」「簡略名」「識別名」が多数定められていて、中には13もの名称がある食品添加物があります。
そのため、食品添加物として明記されていても、その識別は簡単ではありません。

海外では番号による識別

EUやその他の国では食品添加物に3桁の番号を定めており、物質を容易に特定できるようにしています。

強調表示

日本では、「天然」「無添加」「純粋」といった表示を見かけることがよくあります。
しかし、これらの表記は優良誤認を引き起こす可能性が高いのです。

使用する用語を規

海外では、優良誤認を避けるために「無添加」「ナチュラル」「フレッシュ」などの用語を禁止する、使用する際にガイドラインが設けられています。

世界の食品表示ルールは厳しい!

日本と外国を比べてみると、世界では日本よりも厳しい食品表示ルールが設けられています。
日本でも、食品表示に関する法律が改正されて、以前よりも表示への規制が厳しくなりました。
とはいえ、世界と比べてみるとまだまだ安全性に関する表示が不十分であると言えます。
今後、世界の基準に合わせて食品表示を見直す必要があるでしょう。

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