身体によい油とは?おすすめの油とその理由を解説

  • URLをコピーしました!

炒め物、揚げ物、ドレッシングまで、さまざまな種類の料理に油が使われており、実際に調理で使う機会も多々あります。
しかし、油について調べてみると、健康に被害を及ぼす可能性があることから使用量を控えている、種類を選んで使っているという方も多いのではないでしょうか。

油は料理だけでなく、人間の健康維持にも欠かせないものです。
適量を摂る必要がありますが、健康に悪影響を与えないためには油の選び方が大切です。
ここでは、身体によい油とは何か、その理由とおすすめの種類について詳しく解説します。

目次

健康的な油を選ぶ重要性

どんな油をとるかで将来の健康リスクが変わってくるため、油を選ぶときは、健康によいものを選ぶことが大切です。

油は炎症を抑えるなど体内でさまざまな働きをするエイコサノイドの材料になるものです。
エイコサノイドとは、ホルモンのようなもので、脂肪酸のうちオメガ3と6から作られています。
しかし、エイコサノイドの材料となる脂肪酸の種類によって、エイコサノイドの特性が変わります。

・オメガ6から作られるエイコサノイドは炎症を引き起こす
・オメガ3 炎症を抑えるエイコサノイドが作られる

このように真逆の働きをするエイコサノイドが生成されるのです。

脂肪酸のバランスが偏ることで起こるリスク

脂肪酸にはいくつかの種類があり、ある程度のバランスを保つことが健康を維持するポイントです。
また、脳の働きを適切に保つためにもオメガ3は重要な役割を果たしています。

人間の身体は細胞からできており、細胞一つひとつを細胞膜が覆っています。
そして、その細胞膜の材料となるのが油で、細胞の柔軟性を保つのに重要な役割を果たしているのです。

脳のニューロンが複雑な構造を作ろうとするときに、細胞膜の柔軟性が求められます。
そこでポイントになるのがオメガ3です。
オメガ3は構造でたくさんの2重結合があるため、細胞膜の柔軟性を保つのに効果的に働いてくれるからです。

しかし、現代人はオメガ3よりもオメガ6を摂りすぎていて、そのバランスが乱れています。オメガ6の摂取量が過剰になると身体が炎症体質になってしまい、以下のリスクを高めてしまうため注意が必要です。

・アレルギーリス
・血糖値や血圧が上昇しやすい
・認知症のリスク

そこで、乱れたオメガ3とオメガ6のバランスを保つためには、オメガ3を積極的に摂ることが大切です。

健康によいオメガ3を摂るには

健康によい効果をもたらしてくれるオメガ3を摂るためには、肉よりも魚を積極的に食べることです。
特に、青魚にはオメガ3(DHAやEPA)が含まれています。
また、油の種類によってはオメガ3を多く含むものがあります。ここでは、オメガ3を摂るのにおすすめの油を紹介します。

加熱用としておすすめの油とは

加熱用として使う油は、以下の3つがおすすめです。

オリーブオイル

オメガ6が少なくオメガ9の脂肪酸が多く、酸化しにくいのがメリットです。
ただし、品質にばらつきがあるため、選び方に注意が必要です。
「エキストラバージン」という表記もあまりあてになりません。
良質なオリーブオイルを見分けるポイントは香りです。
香りがよくない=品質がよくないと思っていいでしょう。

なたね油

オメガ6が少なくオメガ9が多い。
香りのクセが少ないので使いやすいのもポイントです。
ただし、輸入品を使って作られているものがほとんどのため、遺伝子組み換えの原料を使っている可能性が高く、しかも表記されていないので要注意です。

米油

オメガ6が少なめで香りも強くないので、どんな料理にも使いやすいこと、あっさりとしていて胃もたれしにくいのが特徴です。
そして、地球環境に優しいことも大きなポイントです。
日本の食用油の自給率は3%以下と非常に低いのですが、米油はほぼ国産100%のため、輸入にかかるコストやCO2を削減できます。

非加熱用におすすめの油

オメガ3の含有量が多いえごま油、あまに油がおすすめです。
これらの油は加熱に弱いので非加熱で食べることでオメガ3を効率良く摂取できます。

・オメガ3 DHA EPA
・魚に含まれる油(主に青魚)

身体によくない油とは

危険な油は過酸化脂質に変わるものです。
過酸化脂質は、血管を傷つけ、動脈硬化をすすめるリスクを高めます。
また、良質な油でも酸化することで人間にとって危険な油となります。
そこで、保存方法にも注意しましょう。
保存方法で気を付けるポイントは、以下の2点です。

・温かい場所に放置する(冷やす、光を当てない)
・酸素に触れないようにする

傷みにくいと言われているオリーブオイルとごま油ですが、酸化はするためできるだけ早めに使い切ることが大切です。

加熱用として米油をおすすめする理由

良質な油の一つとして紹介した米油ですが、加熱用としておすすめした油の中でも特に健康効果が高いため、ここでさらに詳しく米油について解説します。

米油が身体によいと言われている理由は、以下の4点です。

1.ビタミンEが豊富で油の中でも最強の含有量
2.スーパービタミンEと呼ばれるトコトリエノールの圧倒的含有量
3.植物ステロールの含有量も圧倒的に多い
4.γ-オリザノール米油特有の成分が豊富

1.ビタミンEが豊富で油の中でも最強の含有量

身体によいと言われているオリーブオイル、アマニ油と比べても3倍以上含まれています。
ビタミンEは最強の抗酸化作用を持っていて若返りのビタミンとも呼ばれています。

2.スーパービタミンEと呼ばれるトコトリエノールの圧倒的含有量

トコトリエノールの抗酸化作用はビタミンEの40倍から60倍もあります。
コレステロール値の改善、がんリスクの低減、脳神経の保護などさまざまな効果が期待できます。

3.植物ステロールの含有量も圧倒的に多い

油脂の一種で植物にしか含まれていない植物コレステロールが、他の油の2~3倍含まれています。
消化器官で吸収されずに血管内に入り込み、コレステロールの吸収を抑え、コレステロール値を下げる効果、血管をきれいにしてくれる効果が期待できるのです。
他にも、前立腺肥大による排尿障害の改善、頻尿を改善する効果、最強の免疫細胞と言われているナチュラルキラー細胞を活性化させる効果もあると言われています。

4.γ-オリザノール米油特有の成分が豊富

脳の機能を改善する効果、抗酸化作用、抗炎症作用が期待できます。
脳のストレスも減らしてくれ、食べすぎも予防してくれます。
年齢を重ねるとともに減少するB細胞を補うなど、さまざまな効果があると言われています。
B細胞とは体内に侵入した病原体を排除する抗体をつくる重要な役割を担っているため、不足すると体調を崩しやすくなるのです。

・アレルギー症状の緩和
・脳神経の保
・肥満防止
・脳ストレス減少
・自律神経の改善
・インスリン分泌の促進

他の油が身体によくないと言われているのは、人間の体内でつくられない不飽和脂肪酸であるリノール酸が、加工段階や体内に取り込まれたときにヒドロキシノネナールという超毒性の成分を生み出してしまうからです。

米油は食べても体内でヒドロキシノネナールができにくいため、健康によいのです。

使い勝手も優れている

揚げ物や炒め物をしたときに部屋に臭いが充満しますが、その臭いの原因物質が米油には少ないこと、掃除もしやすい洗いものも楽になるというメリットもあります。

米油の選び方

米の生産量減少により米ぬかの入手が難しくなっているのが現状です。
そのため、米ぬかも国産ではなく、輸入したものを使っていることがあります。
米油の搾油については、圧搾方式と抽出方式がありますが、圧搾方式がおすすめです。
値段が安すぎる商品は避けたほうが無難でしょう。

酸化しにくいと言われていますが、酸化するので1~2カ月で使いきれる量を買うのがおすすめです。

健康のためにも良質な油を選ぼう

美味しく食べるため、健康のためにも良質な油をとることが大切です。
現代人に不足しがちなオメガ3を補い、健康を保つためにも調理法によって油の種類を選び、使い分けることが大切です。
加熱用として米油、オリーブオイル、非加熱用としてアマニ油やえごま油といったように、用途に応じて良質な油を選ぶことで健康維持に役立ててみましょう。

インドに何度も足を運びアーユルヴェーダの研究をしてまいりました。
アーユルヴェーダとは、「生命科学」という意味で、五千年の歴史をもつインド・スリランカ発祥の伝統医療です。少し違いますが、わかりやすく言えばアロマテラピーが近いです。
アーユルヴェーダは薬草を煮出したオイルを使い、アロマテラピーは植物の有機成分の一部を取り出したものを使うという違いがあります。
人間の体と油の歴史は長いです。

アーユルヴェーダはヨガの考え方と深くつながっています。
人間の60兆の全細胞が形成する体に体質に合った油を体に垂らすことによって心身の深部に入り、「魂」の潤滑油となり、心身を浄化させます。すなわち、人生がより滑らかに進み、人生が変わるような深い医療だと言われています。
油を摂取することは大変重要です。また自分の体質に合い、精製されていない自然なものを取るべきであると私は考えます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次