健康食品とは何?正しく理解し健康な身体づくりに活かそう

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日頃食べているもの、飲んでいるものから私たちの肌や身体がつくられています。
だからこそ、健康になるため、美容のためにと身体に良いものを厳選して摂っている人も多いでしょう。
健康や美容に良い食品といえば「健康食品」を想像するほど、私たちの日常生活に深く浸透していますよね。

しかし、健康食品の食べ方や選び方次第で健康や美容に悪影響となるリスクがあることをご存知でしょうか。

今回は、健康食品とは何か、その種類や定義について詳しく解説します。
健康な身体づくりのために役立ててみてください。

目次

そもそも健康食品とは?その意味と定義

健康食品という言葉を耳にする機会、実際に利用している人も多いでしょう。
しかし、健康食品には明確な定義がありません。
健康増進や美容目的で摂取されているサプリメントも同じような意味で使われることが多いですよね。
現在、健康食品とサプリメントは以下のような意味で使われています。

健康食品

健康の保持増進に資する食品全般

サプリメント

特定の成分が濃縮された錠剤やカプセル型の食品
広い意味では健康食品。

サプリメントも健康食品の一部に含まれます。
健康食品について正しく理解するためにも、その主な種類を知ることが大切です。

健康食品の種類を理解しよう

健康食品と一口にいってもたくさんの商品があり、日本ではそれらの商品を分類分けしています。
適切な健康食品を選ぶためにも主な種類と特徴について理解しておきましょう。

1.特別用途食品

特別用途食品とは、赤ちゃんや妊婦さん、授乳中、病気の人といった医学的、栄養学的に配慮が必要な人の発育、健康の保持や回復を目的とし、特別な用途の表示が許可された食品のこと。

以下が特別用途食品の例です。

・赤ちゃんの粉ミルク
・たんぱく質の制限が必要な腎臓が悪い人向けの食品
・呑み込みが悪くなった人向けの食品

2.保健機能食品

保健機能食品には、特定保健用食品と栄養機能食品があります。

特定保健用食品

特定保健用食品は「トクホ」のこと。
CMなどで見聞きする機会が多い言葉ですよね。
保健機能食品は、ある食品中に含まれている成分の機能について、一定の科学的根拠が認められたものを、消費者庁長官が許可したものです。
消費者庁と食品安全委員会の審査を経て承認を得たものが商品として販売されています。

栄養機能食品

栄養機能食品とは、身体の健全な成長や発達、健康の維持に必要な栄養分の補給を目的とした食品のこと
以下の栄養素の基準を満たすことが栄養機能食品の条件です。

・ビタミンA
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンB6
・ビタミンB12
・ビタミンC
・ビタミンD 
・ナイアシン
・パントテン酸
・葉酸
・ビオチン
・鉄
・カルシウム
・マグネシウム
・亜鉛

栄養機能食品は、それぞれの栄養素について基準を満たしている場合、国への届け出や審査を受けなくても販売できることが、特定保健用食品との大きな違いです。

3.機能性食品

機能性食品とは、2015年にスタートした制度で、国が定めたルールに基づいて、身体に良い機能や安全性が確認された食品です。
その機能や安全性を証明するための科学的根拠が必要です。

特定保健用食品との大きな違いは、国による審査が行われないこと。

科学的な根拠を示すために、試験管内での実験、動物実験の段階でも人間への機能を謳っている商品がほとんどなので、効果の過信に注意が必要です。
明確な効果が実証されていないケースが多いのです。
特定保健用食品は人を実験にしていますが、機能性食品は必ずしもそうではありません。
実際の効果が曖昧なものも多いことを、よく覚えておきましょう。

4.栄養補助食品

栄養補助食品は、食事だけで必要量を摂取できない栄養素を補う目的とした食品で、現在ではあまり使われていません。
平成16年に制度の変更が行われてから、使用頻度がかなり低くなりました。

制度改正前の意味としては、栄養成分を補給するなど特別な用途に使うもので、錠剤、カプセル状以外の形状のものを指しました。

現在は粉末やゼリー、飲料、お菓子まで幅広い種類が該当するため、健康食品の分類としてはかなり曖昧です。

5.健康補助食品

健康補助食品とは、ある食品によって特定の栄養成分を補給する用途、その他健康の保持増進、及び健康管理のために財団法人日本健康・栄養食品協会が提唱している食品のことです。

6.サプリメント

サプリメントの言葉の意味は補うという意味。
1990年頃から日本でも健康食品やサプリメントが普及し、使用者が増えてきました。

いわゆる健康食品のうち特定の栄養成分が凝縮されたカプセルや錠剤のことですが、スナック菓子や飲料が該当することもあります。

主なサプリメントの種類粒状タイプ

・粉末タイプ
・顆粒タイプ
・ハードカプセルタイプ
・ソフトカプセルタイプ
・ドリンクタイプ

サプリメントは、ビタミンやミネラルだけでなく、コラーゲンやアミノ酸といった美容に関わるものや身体を構成する栄養素などその種類は多様
ミネラルやビタミンが栄養機能食品の基準を満たしていれば、栄養機能食品として表示されます。

サプリメントは法律上は食品に該当し安全であるという考えのもとで、お店やネットで販売しています。
しかし、アレルギーや肝臓へのダメージ、持病を悪化させる成分もあり、必ずしも安全とはいえないことに注意しましょう。

また、効果を期待して過剰に摂取する人が多い点にも注意が必要です。
さらに、健康な人に比べて、高齢者や妊婦、子ども、持病を持っている人は、健康被害が起こりやすいことも報告されています。
サプリメントの効果を過信するよりも、健康的な生活を送ることを心がけた方がより効果的で安全です。

健康食品と医薬品の違い

健康食品と医薬品とではどのような違いがあるのでしょうか。
健康食品にも錠剤やカプセル状のものがあるので、薬のように見えますが、医薬品よりも身体に良さそうな印象を受けますよね。

さらに、医薬品は薬は副作用が心配されますが健康食品は安全、薬は合成化合物だが健康食品なら天然成分だから安心といったように、健康食品に良いイメージを抱きがちです。
他にも、医者の診察なしで手軽に手に入るといったイメージから、健康食品を選ぶ人も多いでしょう。
健康食品と医薬品を正しく摂取するためにも、両者の特徴や違いをしっかり押さえてきましょう。

医薬品の特徴

医薬品は、どこの会社で製造しても一定の品質を保てるように、かなり細かい品質管理が行われています。
また、実際の有効性や安全性を確認するために治験で効果や安全性を確認しているのも大きな特徴。

実際に、その病気の患者に使って反応を確認する臨床テストをしているので、有効性も実証済です。
治験は人で試しますが、医薬品が開発されてからすぐに治験が行われるわけではありません。
細胞実験、動物実験、臨床実験を経てそれぞれの段階で安全性を確認してから人への実験に移行し、有効性を確認しています。
このように複数の過程を経て人への有効性が確認されてはじめて、その効果と効能を表示できるのです。

さらに、医師の処方が必要なこと、薬剤師も管理にかかわっていることから安全に利用できる環境が整っているのも健康食品との大きな違いです。

健康食品

健康食品は、医薬品のような厳しい法律や治験がない特別用途食品、特定保健用食品(トクホ)以外のものを指します。
成分や素材の段階から科学的根拠が明確でないこと、細胞実験や動物実験だけで効果があるとしているものがあります。

さらに、人への実験が全く実施されていないものもあることに注意が必要です。

また、人での試験を実施したものでも以下の点が明確にされていないものが多くあります。

・摂取した成分がどれくらいの量で体内に吸収されるのか
・どれくらいの濃度で血液中に存在するのか
・体内での成分や動きの状態

薬はそれ相当のコストと時間をかけて人に対して試験をいますが、健康食品では医薬品ほどの徹底した試験や管理が行われていません。
健康食品は、厳しい検査や規制がなく、手軽に手に入るというメリットがありますが、科学的根拠が曖昧なものがあるのがデメリットです。

健康食品はあくまで食品で、薬と一緒でないことをしっかりと心得ておきましょう。

また、医薬品のように用途、容量を厳密に決めにくいことから身体や美容に悪影響を及ぼすことも。
摂取量が曖昧で、医師や薬剤師による管理があるわけではないので、複数の健康食品を摂取していると、過剰に摂取してしまうリスクがあります。
さらに、相性の悪い飲み合わせを選んでしまうと、健康食品の効果半減や副作用を引き起こすリスクが高まります。

健康食品を摂取するときの注意点

健康食品を摂取するときに、気を付けるべき点について詳しく解説します。

病気を持つ人が病気の治療のために健康食品を選ぶリスク

病気を持っている人は、健康食品を選ぶ様々なリスクがあることを覚えておきましょう。
自分で手軽に入手できる健康食品は、病院受診を遠のかせるリスクがあります。
病院を受診しなければ、適切な治療を受けるチャンスを逃す恐れがあるからです。
また、健康食品は保険がきかないので、医師から処方される薬よりも費用が高額となる可能性もあり得ます。

定期的に病院に通っている場合も、服用している薬との飲み合わせにより、薬の効果の半減や副作用のリスクが高くなります。

例えば、血液を固まりにくくするワルファリンという薬を飲んでいる場合、グルコサミンとコンドロイチンの大量摂取により、血が薄くなってしまいあざや出血につながるという報告があります。

他にも、血糖値を下げる薬を飲んでいる人が健康食品でビルベリーの葉を飲んでいると、血糖値の下げ過ぎを招くこともあるのです。

そこで、健康食品を摂取しているときは医師や薬剤師に正確な情報を伝えることが大切です。
適切に薬を処方してもらうためにも必ず申告しましょう。

健康食品を選ぶときに気を付けたいこと

健康食品を選ぶときは以下の3点に注意してください。

1.成分名がきちんと表示されているかどうかと成分の含有量

使用するにあたって必要な情報が記載されているかチェックしましょう。
用法や容量だけでなく妊娠中や持病のある人といった、使用によりトラブルが起こるリスクが高い人に向けた注意事項があるかも併せて確認します。

2.商品の問い合わせ先

販売の責任者の名称は、法律により明記することが義務づけられていますので問い合わせ先の有無を確認しましょう。

3.薬機法で定められている

医薬品などの表示が決められており、厳正な審査を受けた薬以外は○○に効果がある、〇〇が治るといった表示をすることが禁止されています。
売れるためにあたかも効果があるように見せている商品を見かけることがありますが、法律違反なので要注意。

自分に合ったものを選ぶこと

健康食品は、現在の自分に合うものを見極めて選ぶことが大切です。
健康食品は身近に手に入る、健康になる、病気が治る、肌がきれいになる、痩せるといった魅力的な効果を謳っています。
しかし、使い方や選び方を誤ってしまうと、お金の無駄やかえって健康を害することにつながることがあるのです。

特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品など、ある程度食品成分の基準がしっかりとしているものは、普段不足しがちな栄養素を補うことができ、良質ものも多くあります。

とはいえ、健康食品を選ぶときには十分な注意が必要ですので、特に2つの点に注意してください。

・選ぶときにしっかりと見極めること
・今の自分の状態を分かったうえで使用すること

そのためにも健康食品とは何かを正しく理解することが大切です。

生活習慣にも気を配ろう

健康食品に頼りすぎるのではなく、日頃から生活習慣に気を付けることも大切です。
健康や美容に良さそうだからという理由で何気なく摂取している健康食品。

しかし、健康食品にはいくつかの種類があり、その有効性が確認されないまま販売されているものが少なくありません。

また、病気などで身体が弱っている人が摂取するときには、薬との組み合わせに配慮しないと身体に害を与えるリスクがあるので注意が必要です。

また、健康食品には添加物が多く使われているものもあります。
健康食品に頼りすぎると健康に悪影響を与えることもあるため、健康食品の摂りすぎに注意し、健康な生活を送ることを心がけましょう。

サプリメントに頼りすぎない健康な生活を心がけよう

美容や健康に良さそうで、手軽に入手できるなどさまざまなメリットがある健康食品。
しかし、成分や有効性、安全性について確認されないまま販売されているものが多いのが現状です。
他にも、用法や他のサプリメントや医薬品との組み合わせにより効果が半減したり、副作用が起こったりするリスクもあります。

健康食品の効果を過信せずに、まずは健康的な食生活、適度な運動や睡眠を心がけて、健康や美容の維持に努めることをおすすめします。

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