トランス脂肪酸とは?海外では使用が禁止されているって本当?

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健康志向が高まっていることから、普段食べているものに気を使っている、身体に悪いものは極力食べないように気を付けている人も多いのではないでしょうか。
中でも、近年身体に悪い成分として注目されているのがトランス脂肪酸です。
アメリカやEUといった先進国をはじめ、アジア各国でもトランス脂肪酸を規制する動きが強まっています。トランス脂肪酸が身体に悪いと分かっていても、何気なく口にしている可能性があります
ここでは、トランス脂肪酸とは何か、その危険性と日本での規制状況について解説していきます。

目次

トランス脂肪酸とは?トランス脂肪酸の危険性について

そもそもトランス脂肪酸とは、植物油に水素を添加した自然界には存在しない人工的な油のことです。
植物油脂は酸化しやすく日持ちが悪いので、液体の油に水素を加えることによって劣化や酸化しにくい油になります。

トランス脂肪酸のリスクについて

トランス脂肪酸が健康リスクが高いと言われているのは、トランス脂肪酸を多くとることで悪玉コレステロールを増加させ、動脈硬化やアレルギー疾患など多様な心身の不調を引き起こすリスクが高いからです。 

トランス脂肪酸は、細胞レベルから私たちの健康に害を与える可能性が懸念されています。

私たち人間は約60兆もの細胞からできています。
細胞一つひとつを覆っているのが細胞膜ですが、細胞膜の原料は油です。
細胞膜は脂肪酸の一種であるオメガ3を原料としていますが、トランス脂肪酸の摂取量が多いとトランス脂肪酸がオメガ3に代わって細胞膜を覆うことになります。
実は、細胞膜が柔軟であることが心身の健康を保つことにつながっています。

しかし、トランス脂肪酸はとても固い油です。
そのため、トランス脂肪酸を原料とした細胞膜は柔軟性が失われて、細胞膜の代謝異常や細胞の機能不全を起こします。
それが、心身の不調の原因になり得るのです。

また、脳はほぼ脂質で構成されているため、トランス脂肪酸は脳に多大なダメージを与えます。
そして、トランス脂肪酸は心臓に蓄積されることが分かっています。
その結果、狭心症や冠動脈疾患のリスクが高まります
さらには、肥満、2型糖尿病、アレルギー、うつ、認知症、がん、不妊症といった原因にもなり得るほど、心身の健康に与える影響が大きいのです。

体内に入り込んだトランス脂肪酸を体外に排出するときは、大量のビタミンとミネラルを消費するとも言われています。
他の機能の維持に働くはずだったビタミンやミネラルが不足することで、健康に悪影響を与える可能性も出てくるでしょう。

トランス脂肪酸が使われている食品と特に気を付けるべき食品

トランス脂肪酸はコストがかからないため、食品業界で重宝されるようになりました。
現在では、さまざまな食品の原料としてトランス脂肪酸が使われています
健康被害を及ぼすリスクが高いトランス脂肪酸をできるだけ摂らないようにするためには、トランス脂肪酸が含まれている食品について把握しておくことが大切です。

トランス脂肪酸が使われている食品

私たちが普段食べている食品の多く、トランス脂肪酸が使われています。以下に一例を挙げます。

・パン
・揚げ物
・クッキー
・マーガリン
・ショートニング
・インスタント食品
・冷凍食品
・ケーキ
・ドレッシング
・揚げ物
・チョコレート

特に、コンビニエンスストアで販売されている食品はトランス脂肪酸が多用されています
コンビニで扱っている食品は食中毒に対する厳しい基準が設けられています。
絶対に食中毒が出ないようにしなくてはいけないので、真夏の気温の中で2日間置いても腐敗しないほどの厳しい基準が設けられているほどです。

また、ファーストフード店でもトランス脂肪酸が使われている事例が多く、過去にはマクドナルドでもトランス脂肪酸が多く含まれているショートニングでポテトを揚げていました。

また、日本の食品メーカーによっては、自社の商品のトランス脂肪酸の含有量を公式サイトで紹介していますが、想像以上に含有量が多い食品もあります。
普段食べている食品にトランス脂肪酸が含まれているか気になるときは、一度メーカーのサイトをチェックしてみましょう

トランス脂肪酸を多く含む要注意食品

私たちが普段食べている食品の多くにトランス脂肪酸が使われています。
トランス脂肪酸を特に多く含む食品をできるだけ取らないようにすることで、健康被害を軽減できるかもしれません。
トランス脂肪酸の含有量が多い順番に紹介します。

1.ショートニング
2.マーガリン ファットスプレッド
3.ホイップクリームやコーヒークリーム

さまざまな食品に含まれているが、特に含有量が多い食品を食べないことが大切。
特に、大人よりも妊娠中や子供への影響が懸念されるため、大人がコントロールする必要があるでしょう。

トランス脂肪酸に対する世界の状況

トランス脂肪酸が健康に与える影響が大きいことから、世界各国でトランス脂肪酸に関する規制が始まっています。

先進国を中心に規制の動きが活発化

2003年頃から世界保健機関(WHO)も、トランス脂肪酸を危険視し、2023年までには世界中の食べ物からトランス脂肪酸を取り除くことを目標にしているほどです。

アメリカやカナダ、台湾、EU、シンガポールやタイでもトランス脂肪酸の規制が始まっています。
国によって規制の内容や異なりますが、タイ政府はマーガリンやショートニングを含む食品の輸入を禁止しているほど、厳しい規制を設けています。

日本だけトランス脂肪酸を規制していない理由

世界的にトランス脂肪酸の規制が進んでいるにも関わらず、日本ではトランス脂肪酸を規制していません。2011年に出された食品ガイドラインによると、トランス脂肪酸の記載義務がないだけでなく、0..3mm未満ならトランス脂肪酸フリーと記載できるほど、トランス脂肪酸に対する規制が緩いのです。

規制が緩い理由として挙げられるのが、食品業界への影響と日本人にはトランス脂肪酸のリスクが少ないと考えられているからです。

製造コストがアップする

コスパのよいトランス脂肪酸は多様な食品に使われています。
トランス脂肪酸を使わなくなることで、製造コストがアップする可能性が高まります。

日本人はトランス脂肪酸の影響が少ない?

国際機関の基準は、一日の総エネルギー量の1%未満にトランス脂肪酸を抑えることです。
それを、一日当たりの量に換算すると2gになります。
しかし、日本人のトランス脂肪酸の摂取量を調べてみると、平均で一人当たりおおよそ1gとういことが分かりました。
つまり、世界基準の半分以下ということが分かったので、規制する必要がないという結果に至ったのです。しかし、これは赤ちゃんから高齢世代まで幅広い年代の平均値です。
正直いってあてにならない調査だと言えます。

特に若い人、30代から40代くらいまでは恐らく世界基準である2g以上のトランス脂肪酸を摂取している可能性が高いでしょう。

将来的にトランス脂肪酸が排除される可能性が高い

現在、日本ではトランス脂肪酸の規制がありませんが、将来的には世界的な流れにそって日本からもトランス脂肪酸がなくなる可能性は高いでしょう。

食生活に気をつけて健康リスクを減らそう

トランス脂肪酸は非常に多くの心身の不調や病気に関係しています。
トランス脂肪酸の摂取量を減らすためには、日常的に食生活に気を付けることが大切です。
和食中心の食生活にシフトする、買い物するときは商品表示をチェックすることを習慣づける、企業サイトを見てトランス脂肪酸の含有量を調べることで、トランス脂肪酸の摂取量を減らせるようにしましょう。

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