健康にいいのはどれ?牛乳、加工乳、乳飲料の違いを解説

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カルシウムを効率良く摂取するため、健康のために乳製品を意識して摂っている方も多いでしょう。
牛乳を購入しようとスーパーで商品を選んでいるとき、表示に牛乳、加工乳、乳飲料といった記載があるのを見かけたことはありませんか。

牛乳はいくつかの種類があり、これらの違いを正しく理解することで、今後牛乳を選ぶときの参考になるかもしれません。
ここでは、牛乳、加工乳、乳飲料の違いについて解説します。
また、健康のために牛乳を飲むことが本当に身体にとってよいことなのかを説明します。

目次

牛乳、加工乳、乳製品の違い

一般的に販売されている牛乳の種類は大きく3つです。

牛乳

牛乳(牛から絞ったままの乳)のみを原料としたもので、生乳以外に何かを加えた飲料は牛乳とは言えません。
牛乳はさらに5つの種類に分類できます。

牛乳

生乳を加熱殺菌したものです。
生乳100%を原料として、水や他の原料を加えること、成分を減らすこともしないこと、無脂肪固形分(たんぱく質、炭水化物、ミネラル、ビタミン類など脂肪分以外)8.0%以上を含んでいることが条件です。

成分調整牛乳

水分、乳脂肪分、無脂肪固形分などの成分を一部除去したものです。
無脂肪固形分は牛乳と同様に8.0%以上、乳脂肪分の量には規定がないため、乳脂肪分由来のコク、旨味に関しては商品によって差があります。

低脂肪牛乳

成分調整牛乳の一種で、生乳から乳脂肪分を減らして低脂肪にしたものです。
水やその他の原料は加えておらず、脂肪分以外の成分は牛乳とほとんど同じです。

無脂肪牛乳

成分調整牛乳の一種で、乳脂肪分を0.5%未満にしたものです
。乳脂肪分以外の成分は牛乳とほとんど変わらず、添加物も入っていません。

特別牛乳

各地域の保健所で、「特別牛乳さく取処理業」の許可を受けた施設で絞った生乳を処理したものです。
この許可を得ている施設は全国で数カ所だけです。
生乳を絞った後に殺菌しない、もしくは低温殺菌をして厚生労働省で定める品質規格となるように作られています。

加工乳とは

生乳やバター、脱脂粉乳などの他の乳製品を加えて成分を調整したものです。
加えてよいものは乳製品と水だけに限定されています。
脂肪分の割合を高めた「特濃」、脂肪分を少なくした「低脂肪」などがあります。

乳飲料とは

生乳に乳製品以外の原料を加えたものです。
特定の乳製品だけを加えるとのとは異なり、加えてもよいものの対象が広いのが特徴です。
無脂肪固形分・乳脂肪分を合わせた乳固形分が3.0%以上であることが乳飲料の条件で主に2種類に分類されます。

栄養強化タイプ

カルシウムやビタミン、鉄分などの栄養素を増量したものです。

嗜好飲料

コーヒーや果汁などの風味素材を加えたもので、コーヒー牛乳やいちご牛乳が該当します。

栄養を摂るのに牛乳が最適なの?

学校給食でも出されていることから、カルシウムを補給するために牛乳や乳製品を日常的に摂っている方も多いでしょう。
栄養をとるために牛乳を飲むことはベストなのでしょうか?
ここでは、現代の牛乳の現状について詳しく紹介します。

栄養が少ない可能性

牛乳はカルシウムを中心に多くの栄養が含まれているといわれています。
しかし、製造過程において栄養が失われている可能性が高いのです。

安全な牛乳を消費者に届けるために、生乳を絞ってからその中に含まれている菌を殺す加熱殺菌しています。
ところが、加熱殺菌することによって、牛乳に含まれている栄養価が以前よりも低くなっているといわれています。
かつて、牛乳が薬として用いられてきた時代がありましたが、それは過熱しない生の牛乳に豊富な栄養が含まれていたからです。

現代では、加熱処理により牛乳の栄養価が昔ほど高くないため飲むだけで栄養を補給するのは難しくなっています。

牛の飼育環境

本来牛は、伸び伸びとした環境で牧草を食べて生活するのが健康的だといわれています。
しかし、実際は牛舎の中での生活で運動不足になるだけではなく、遺伝子組み換え食品やホルモンを投与をしていることがほとんどです。
そのため、昔と比べて牛のストレス値は高く、そのストレスが牛乳の栄養分に影響していると言われています。

飲みすぎるとお腹を壊す?その理由とは

牛乳を飲むとお腹を壊すと言われているのは、「カゼイン」という成分が原因だといわれています。

牛乳に含まれているカゼインを体内で消化できず、未消化物として体内に蓄積されます。
そのため牛乳を飲みすぎると、腸内に炎症が起こりやすくなり、便秘や下痢、遅延型アレルギーを引き起こす可能性があります。

カルシウムの吸収率がよくない?

牛乳に含まれているカルシウムを体内に吸収するためにはマグネシウムが必要です。
カルシウムの吸収に適したマグネシウムの配合割合は、2(カルシウム):1(マグネシウム)ですが、牛乳の場合、その割合が10(カルシウム):1(マグネシウム)となり、効率良くカルシウムが吸収されないと言われています。

牛乳の代わりに何から栄養を摂取するべき?

栄養を摂ることを目的とした場合、何が最適なのでしょうか。
牛乳の代わりとして、カルシウムを摂取するのにおすすめしたい食品や飲み物を紹介します。

カルシウムを摂るのにおすすめの食品

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牛乳よりもカルシウムの摂取におすすめしたい食品や飲み物は以下の通りです。

・アーモンド
・大豆
・小松菜
・ブロッコリー
・豆乳

飲み物から摂るなら牛乳よりも豆乳がおすすめです。
しかし、いちごやコーヒーなどの味が付いた豆乳は、糖分や添加物の過剰摂取につながるため、調整豆乳ではなく無調整豆乳がおすすめです。
豆乳を購入するときは、安全性を考慮して国産大豆を使っているものを選ぶようにしましょう。

他の乳製品は?

牛乳以外の乳製品でカルシウムを摂取することもできます。
ヨーグルトは腸の働きを活発にする乳酸菌が含まれており、発酵過程でカゼインが分解されているので、牛乳よりも身体への負担は少ないでしょう。

しかし、ヨーグルトが身体に合わない人もいます。
ヨーグルトを毎日食べていて調子が悪い場合は、ヨーグルトが身体に合っていない可能性が考えられます。
しばらくヨーグルトをやめてみて、調子が悪くなければヨーグルトが身体に合っていないサインです。

特に不調を感じなければ、そのままヨーグルトを食べ続けていいでしょう。

バターは脂質のためカゼインによる影響は少ないですが、脂肪分の摂りすぎにつながるため食べすぎはおすすめしません。
チーズについてはナチュラルチーズはカゼインを含まずカルシウムや栄養補給に適していますが、プロセスチーズは牛乳と同様にカゼインを含んでいるため控えることをおすすめします。

健康目的なら牛乳よりも豆乳や他の食品を検討してみよう

私たちは日頃、牛乳だけでなく乳製品など牛乳が使われているものを食べたり飲んだりする機会が多くあります。
しかし、現在の牛乳は製造過程や牛の飼育方法などが原因で、以前ほど栄養価が高いとはいえません。
むしろ、牛乳は健康に悪影響を与えるリスクがあります。
健康目的で牛乳を飲むなら、他のものを食べるか豆乳で栄養を摂ることを検討してみましょう。

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